西行法師の春を恋うる歌①

1月はは往(い)ぬ、2月は逃げると俗に言われていますが、もう正月の月は終り、2月ですね。2011年1月31日は例年にない寒さで、岡山県真庭市役所近辺で、最低気温-8.6℃、最高気温3.7℃で、積雪はありませんでした。

2月といえば西行法師の辞世(?)の歌が思い出されます。

西行法師(1118-1190)は、以下の歌を生前に詠み、その歌のとおり文治6(1190)年、陰暦2月16日、釈尊涅槃(ねはん=逝去)の日に入寂(にゅうじゃく=逝去)したといわれています。享年数え73。

ねかはくは 花のしたにて 春しなん そのきさらきの もちつきのころ (山家集)
ねかはくは はなのもとにて 春しなん そのきさらきの 望月の比 (続古今和歌集)

*花の下を"した"と読むか"もと"と読むかは出典により異なります。なお、この場合の花とは桜のことでしょう。
ここで、如月(きさらぎ)の望月(もちづき=十五夜)というのはだいたいどのあたりになるでしょうか。

如月とは陰暦の2月でこれは先刻ご存知の通り。西行がこの歌を詠んだのは、入寂の文治6年の数年前のことでありましょう。当時の暦のデーターが手元にないので正確ではないかもしれませんが、平成10年から平成23年までの陰暦で考察してみましょう。この表で見ますと西行の詠んだ、「如月の望月のころ」というのは、閏月を考慮すると、太陽暦の3月5日ころから4月5日くらいの長い期間で、桜の種類にもよりましょうが、つぼみから見ごろのころのようです。真庭市内には樹齢1000年ともいわれる、エド彼岸の大樹「醍醐桜」がありますが、西行の見た桜もこんなものだったと推定されます。2010年4月4日に撮った桜の写真がありますので西行の気持ちでごらんいなっていただければ幸いです。

樹齢1000年の醍醐桜


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平年のみに限定すると、大体つぼみから咲き初めくらいの期間に相当するようです。
太陽暦の2月15日ころより大分暖かくなっているようですね。なお閏月は陰暦では3年位ごとにめぐってくるようです。

           最近13年間の旧暦閏月の表
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西 暦       平成     陰暦(日数)       太陽暦月日
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1998       H10   旧5月小(29)      5/26-6/23
                 閏5月小(29)      6/24-7/22
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2001       H13   旧4月小(29)      4/24-5/22
                 閏4月小(29)      5/23-6/26
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2004       H16   旧2月大(30)      2/20-3/20
                 閏2月小(29)      3/21-4/18
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2006       H18   旧7月大(30)      7/25-8/23
                 閏7月小(29)      8/24-9/21
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2009       H21   旧5月大(30)      5/24-6/22
                 閏5月小(29)      6/23-7/21
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           最近2年間の平年旧暦2月の表
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西 暦       平成     陰暦(日数)     太陽暦月日
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2010       H22   旧2月小(29)  3/16-4/13
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2011       H23   旧2月小(29)  3/5-4/2
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